建物・環境

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アスベスト

アスベスト(石綿)は自然鉱石で耐熱性・耐久性のあることから建築材料として広範囲に使用されてきたが、発ガン性のあることが判明したため、昭和50年にアスベストの吹き付け作業が原則禁止とされた。その後も、材質や含有量による使用規制の強化が行われ、平成16年に最も毒性の低いクリソタイルの二次製品の使用中止により全面禁止となった。

しかし、平成17年アスベスト建材メーカー「クボタ」が工場周辺の住民を含めてアスベストによる中皮腫発症等の健康被害を開示したことにより、毒性の強さが再認識され、同年解体工事の労働者の健康障害防止の観点から石綿障害予防規則が施行された。

建物評価に際しては、建築時期によるアスベスト使用の可能性と材質等を確認し、下記の使用形態を基準とする対策等に基づき、室内環境等の安全性等の観点から除去の必要性等の判断の上評価を行う。

既存建物のアスベスト使用形態 使用部分等 対策等
吹き付けアスベスト 鉄骨の梁柱等・機械室等 飛散性の恐れのある場合には除去等の義務
飛散性アスベスト建材 保温剤・断熱材・耐火被覆 解体時に飛散しやすく、粉塵と廃棄物の適切な処理が必要
非飛散性アスベスト建材 床材タイル・石綿スレート等 解体時の破壊等により飛散する可能性があり、注意

環境汚染物質

居住者や建物内の執務者等の健康に悪影響を与える物質で、アスベスト、PCB、フロンガス、自動車排気ガスに含まれる汚染物質(窒素酸化物、浮遊性粒子状物質等)、悪臭防止法の規制対象物質(アンモニア、アセトアルデヒド等)等をいう。鑑定評価上は、対象建物に環境汚染物質が使用されている場合には、使用の程度と環境への影響の度合いを勘案し、除去費用と嫌悪感等による市場性の減退の程度に考慮して評価を行う。

キャペックス(Capital Expenditure )

建物の機能を維持するために支出される計画的大規模修繕費、長期計画修繕費をいい、外壁・屋上の大規模な補修費用と、電気・空調・昇降機等の設備更新費用により構成される。企業会計においては、資産として計上し損益計算上は減価償却費として期間配分されるが、投資判断や鑑定評価におけるキャッシュフローの査定では、運営費用と同様に支出として計上される。

90%非超過確率とは?

非超過確率とは、PMLの値を超えない確率であり、地震を受けた100棟の建物 のうち、 90棟程度はその水準より小さな被害に留まり、10棟程度はもっと大き な被害になるレベルである。

グリーンビル等に関わる諸制度

日本 米国ほか
環境総合指標
CASBEE LEED
Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiency 建築環境総合性能評価システムと呼ばれ、建築物や街区、都市などに関わる環境性能を様々な視点から総合的に評価するためのツールとして、国内の建設事業者や不動産投資機関等で活用されている。 総合評価は「Sランク」「Aランク」「B+ランク」「B-ランク」「Cランク」の5段階の格付けで、評価A以上がサステナブル建築として優良とみなされている。 Leadership in Energy & Environmental Design グリーンビルディングとして備えるべきいくつかの必須条件を満たし、選択項目のポイントを選んで取得することが必要で、取得したポイントによって以下の認証のレベルが決められている。 Certified: 40-49 points Silver: 50-59 points Gold: 60-79 points Platinum: 80 points and above
エネルギー性能指標
BELS EnergyStar
Building-Housing Energy-efficiency Labeling System 建築物省エネ法に基づく省エネ性能表示制度のことで、新築・既存の建築物において、省エネ性能を第三者評価機関が評価し認定する制度である。2016年4月より、対象範囲が住宅に拡充されると共に、建築物省エネ法第7条に基づく建築物の省エネ性能表示のガイドラインにおける第三者認証の1つとして運用が開始されている。 ビル、家、オフィス機器などの省エネルギー化に関する基準およびその適合品の登録制度で、アメリカ合衆国エネルギー省及び環境保護庁(EPA)が1992年に開始。その後国際提携プログラムによりオーストラリア、カナダ、日本、欧州連合など他国・地域でも運用されている。 第三者機関により、同用途・同等建物と比較して、75%以上優良という検証手続きを経た建物は、 エネルギースター建物版の認定の証であるラベルを獲得でる。
不動産評価
GRESB
Global Real Estate Sustainability Benchmark 不動産に関わる会社やファンド単位での環境・社会・ガバナンス(ESG)配慮を測ることにより投資先の選定等に用いるために2009年に創設された年次のベンチマーク評価である。 日本でも主としてオフィスビルを運用するJREIT投資法人がサステナビリティへの取り組みを公表する目的(各社9月末にリリース)で利用されている。

建築物省エネ法

大規模非住宅建築物の省エネ基準適合義務等と省エネ基準適合に適合している旨の表示制度、誘導基準に適合した建築物の容積率特例の誘導措置を講じるため、平成27年7月8日、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(以下、建築物省エネ法)が制定された。 建築物省エネ法が制定された背景には、我が国のエネルギー需要の約1/3は建築物関連であり、製造や運輸など他分野の省エネが進む一方で、建築物関連のエネルギー需要は、逆に増え続けていることにある。 建築物省エネ法は、規制措置と誘導措置に大別でき、概要は以下のとおり。

【規制措置】

    • 非住宅2,000㎡以上の建物の新築・増改築 省エネ基準適合義務 ・適合性判定義務があり確認済証の交付に必要。
    • 300㎡以上の建物の新築・増改築 新築・増改築に関わる所管行政庁へ届出。必要な指示・命令等あり。
    • 年間150戸以上の新築戸建供給業者 一次エネルギー消費量の基準達成率平均が100%を下回らないこと。 国土交通大臣より勧告、勧告に沿った措置命令あり。

 

【誘導措置】

    • 省エネ性能向上の設備について容積不算入(上限10%)。
    • 省エネに関する表示(BELS等)を行うことができる。
    • 全ての建築物の新築、増改築、修繕、模様替え、空調機改修で性能向上計画認定申請により容積率緩和。
    • 既存建物で基準適合認定申請により基準適合認定表示を行うことができる。

コンセッション( Concession )方式

利用料金の徴収を行う公共施設について、施設の所有権を公共団体が有したまま、施設の運営権を民間事業者に設定する方式で、平成23年PFI法改正により導入された。公共施設等について、民間事業者による安定的で自由度の高い運営を可能とすることにより、利用者ニーズを反映した質の高いサービスを提供することを目的としている。 コンセッション事業等の重点分野の進捗状況は以下のとおりである。

コンセッション事業等の重点分野の進捗状況

施設 対象案件等 進捗状況
空港 但馬空港 2015年1月から運営事業を実施中
関西国際空港 2016年4月から運営事業を実施中
大阪国際空港
仙台空港 2016年7月から運営事業を実施中
神戸空港 2018年4月から運営事業を実施中
高松空港 2018年4月から運営事業を実施中
鳥取空港 2018年7月から運営事業を実施中
静岡空港 2019年4月事業開始予定
福岡空港 2019年4月事業開始予定
南紀白浜空港 2019年4月事業開始予定
熊本空港 2020年4月頃事業開始予定
北海道内7空港 2020年からの事業開始予定
広島空港 2021年4月頃事業開始予定
道路 愛知県道路公社 2016年10月から運営事業を実施中
上水道 大阪市 検討継続中
奈良市 検討継続中
浜松市 2017年度にマーケットサウンディングを開始
検討も含め導入を当面延期を公表(2019.1.31)
伊豆の国市 2017年度にデューディリジェンスを実施
宮城県 2017年度にデューディリジェンスを実施
「運営権設定支援業務」業者選定(2019.2.13)
宮城県村田町 2017年度にデューディリジェンスを実施
下水道 浜松市 2018年4月から運営事業を実施中
須崎市 2018年2月実施方針を公表
奈良市 2017年度にデューディリジェンスを実施
三浦市 2016年12月審議会を設置する条例を公布
宇部市 2017年度にデューディリジェンスを実施
宮城県村田町 2017年度にデューディリジェンスを実施
文教施設 旧奈良監獄 2019年10月史料館、2021年ホテル開業予定
有明アリーナ 2018年7月運営者募集要項等の公表
(仮称)大阪新美術館 2017年11月にマーケットサウンディングを開始
公営住宅 神戸市(東多聞台) 2016年12月に事業契約を締結
池田市(石橋) 2017年6月に事業契約を締結
岡山市(北長瀬) 2017年9月に事業契約を締結
東京都(北青山) 2018年2月に事業契約を締結
愛知県(東浦) 2018年3月に事業契約を締結
大阪府(吹田佐竹台・吹田高野台) 2018年3月に事業契約を締結
埼玉県(大宮植竹) 2017年5月に基本協定を締結
京都市(八条) 2018年1月に事業予定者を決定
MICE施設 * 横浜市 2020年4月事業開始予定
愛知県 2019年9月事業開始予定
*会議(meeting)、研修旅行(incentive tour)、国際会議(convention)、展示会(exhibition)をいう

※2018年7月1日時点、内閣府ホームページより作成
https://www8.cao.go.jp/pfi/concession/pdf/concession.pdf  

再現期間とは?

再現期間とは、ある事象が平均的に何年に一度程度起きるかを表したもので、 50年で10%を超える確率の場合の再現期間は、475年である。1年間で発生する確率をP1とすると、1年間で発生しない確率は(1-P1)、50年間で発生しない確率は(1-P1)50となり、50年間で発生する確率はP50=1-(1-P1) 50となる。50年間で発生する確率10%の場合、P50=0.1であるからP50=1-(1-P1) 50=0.1よりP1=0.002105となる。再現期間は1年間で発生する確率の逆数とされるので、再現期間は、1/P1 = 1/0.002105 ≒ 475年となる。

サービス・アパートメント

サービス・アパートメント(以下、SA)は、都市計画法や建築基準法等、公法上の定義・基準はないが、ホテルとマンションの中間の機能をもった住居をいい、以下の特徴を備えている。

  1. 通常の生活に必要な家具、家電、生活用品は、全て備えられており、ホテルのように直ちに居住可能である。
  2. ホテルやウイークリーマンションとは異なり、旅館業法の適用はなく、あくまでも建物賃貸借契約である。
  3. ターゲットは、中長期滞在の外国人ビジネスマンや自宅の建替等、一時的な仮住まいを必要とする邦人などで、マンスリー単位の契約が一般的である。
  4. コンシェルジュサービス、室内清掃、リネン交換等を提供している物件が多いが、 食事は、提供されていない。
  5. 家賃相場は、近傍のマンションに較べて相当に高額であるが、トータルコストでみると、ホテルを利用するよりは安い。

以上から、SAの立地としては、大都市・都心部にあって、生活利便性が高く、かつ、居住環境も比較的良好なエリアが適しているとされている。
SAの鑑定評価にあたっては、ホテルの鑑定評価に準じて、収益還元法(DCF法及び直接還元法)により、ADR(平均貸室単価)・RevPAR(販売可能貸室数あたりの貸室売上)、GOP(営業総利益)等を査定し、オペレーター・フィーなど控除後のNCF(ネットキャッシュフロー)から、負担可能賃料を算定して求めることが一般的である。また、SAの収益性は、オペレーターの運営能力に依存することもホテルの鑑定評価と同様であるが、SAの場合は、外国人の利用比率が高いため、国内・外資を問わず、グローバルなネットワークを有するオペレーターか、どうかもポイントになる。

昭和56年以前の建築物(「新耐震」以前の建築物)に大きな被害

昭和56年以前の建築物(「新耐震」以前の建築物)に大きな被害

PMLとの関係について

一般的に耐震構造とPMLとの関係は、新耐震基準に基づく建物であればPMLは低くなる傾向がある。但し、新耐震基準であってもピロティを有する建物及び 極端に変形した建物等で偏心(平面的にみた耐震壁の偏り)が大きいものは新耐震基準に基づく設計がなされていてもPMLが高くなることがあるので注意が必要である。

水道事業におけるコンセッション方式

公営住宅や空港などではコンセッション方式が広まりつつあるが、上水道事業では、今のところ実施されていない。水道は最も重要な生活インフラであるため、収益性を重視する民間に委ねることは、供給や安全への不安、料金値上げなど、住民の根強い警戒感があり、理解が得られにくいためと考えられる。 しかし、コンセッション方式は、水道施設の老朽化、少子・高齢化、地方都市の過疎化といった問題に対する有効な解決策と期待されている。 コンセッション方式を導入する住民側のメリットは、運営委託者の幅広い民間ノウハウや創意工夫の発揮が可能になり、サービスの向上、市場の競争原理が働くことで、料金の低廉化が進むことにあるといわれている。 公共側のメリットとしては、組織のスリム化やより需要が高まる分野への職員再配置などが可能となり、施設更新等の財源も確保されることにある。 公共機関は、コンセッション方式に対する住民の理解が得られるように時間をかけて粘り強く周知する必要がある。

耐震構造 (Earthquake-Proof Construction)

地震に対して安全であるように構造物を設計する方法を耐震設計法といい、昭和56年6月1日施行の改正建築基準法に基づく現行の耐震設計法については、それ以前の耐震基準と区別するために「新耐震基準」と呼ばれている。新耐震基準では、頻発する中小地震(概ね震度5以下)に対しては建物に被害を生じさせない(1次設計)ように、稀に発生する大地震(概ね震度6以上)に対しては建物を倒壊させない(2次設計)ことを目標として設計するように義務づけている。

これまで建築基準法等における耐震設計基準は、大地震を契機に逐次改定されてきたが、「兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)」により新耐震基準に適合した建物の優位性が立証されている。不動産の鑑定評価でも建物の構造が新耐震基準に基づくものであるかどうかの確認は重要である。

なお、昭和56年以前の建物であっても超高層ビルなどは、学識経験者等による特別の審査(評定)を受けることになっており、新耐震基準以上の耐震性性能が確保されている。

土壌汚染

土壌汚染とは、工場等からの排水等の漏洩や不法投棄、事故や不適正な処理により、有害物質が誤って土壌中に排水され、蓄積されている状態のことをいう。

土壌汚染については、これまで明らかになることが少なかったが、近年、工場跡地等がマンション敷地として開発されるケ-スが増加したことで、重金属、揮発性有機化合物等による土壌汚染が顕在化し、有害物質による土壌汚染を放置すれば人の健康に影響を及ぼすことが懸念されるようになった。

しかし、平成15年2月15日に施行された「土壌汚染対策法」により、有害物質を取り扱っていた工場等を廃止する場合や、土壌汚染の可能性が高い工場跡地等は、土地の所有者に汚染状況を調査することを義務付け、調査の結果、有害物質の量が基準値を超えている場合には、都道府県等がその土地を土壌汚染指定区域に指定した上で、台帳を作成し、公開することが規定された。

不動産鑑定評価基準においても、土地に関する個別的要因の一つとして「土壌汚染の有無及びその状態」が挙げられており、鑑定評価作業において、不動産鑑定士等は下記の調査(フェイズⅠ)を行っている。

  1. 役所等での調査
    対象不動産が有害物質使用特定施設に該当するか否かの調査を行う。
  2. 地歴調査
    (1)不動産登記簿調査
    (2)過去の住宅地図、地形図等により土地利用調査を行う。
  3. ヒアリング調査
    土地所有者、近隣の地権者等に対して過去の土地利用等をヒアリングする。

以上の調査の結果、土壌汚染が存する可能性がないと判断された場合には、不動産価格への影響がないものとして鑑定評価を行い、土壌汚染の可能性を否定できない場合には、専門家による土壌汚染に関する調査を依頼する等、その結果を踏まえて鑑定評価を行うことになる。

ER(Engineering Report)

ゼネコン・設計事務所・検査機構等の専門家(一級建築士等)が、第三者的見地から対象建物の立地状況、管理状況、遵法性、建物仕上げ・構造、設備の状況、営繕履歴、耐震性能、有害物質含有状況、土壌汚染などのほか、同等の建物を今現在新たに建築した場合にかかる費用(再調達原価)や長期あるいは短期の修繕・更新費用を、分析・評価した調査報告書をER(エンジニアリングレポート)といい、金融機関、不動産鑑定機関等が建物の状況とそのリスクを判断する際の重要な資料となる。

PFI( Private Finance Initiative )

(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)とは、公共施設の建設や維持管理、運営等を、民間が持つ能力(資金・運営・技術)を活用して行う社会資本整備の手法である。 PFIは、1992年にイギリスで生まれ、欧米各国で活用されてきたが、日本では、「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」(PFI法)が平成11年7月に制定され、本格的に始まった。 PFIの実施に当たっては、五原則三主義と呼ばれるものがある。五原則とは、PFIは、1.公共性のある事業を、 2.民間の資金、経営能力及び技術能力を活用して、3.民間事業者の自主性と創意工夫を尊重することにより、効率的かつ効果的に実施するものであり、4.特定事業の選定及び民間事業者の選定においては公平性が担保され、5.特定事業の発案から終結に至る全過程を通じて透明性が確保されねばならないことをいう。 三主義とは、事業の実施にあたり1.各段階での評価決定についての客観性が求められ、2.公共事業等の管理者等と選定事業者との間の合意について、明文により、当事者の役割及び責任分担等の契約内容を明確にすることが必須であり、3.事業を担う企業体の法人格上の独立性又は事業部門の区分経理上の独立性が確保されなければならないことをいう。

PML(Probable Maximum Loss)

PMLとは、予想最大損失率と訳され、元々は、米国で発祥した災害(本来は、地震に限らない)に対する保険情報の一つで、我が国においては「対象施設あるいは施設群に対し、最大の損失をもたらす再現期間475年相当の地震(50年間で10%を超える確率で起こる大地震)が発生した場合の90%非超過確率に相当する物的損失額の再調達原価に対する割合」をいう。

簡便にいえば、建物が地震によりどの程度損失を受けるかを予想した指標であり、この値が小さいほど、地震に強い建物といえる。一般に、投資用不動産にあっては、PMLが20%以上の場合は、地震保険付保等、30%以上の場合は、耐震補強を行うなど対策が必要とされている。

PMLを計算式で示せば、次のとおりである。

PML計算式
PML(%) 危険度 被害の程度
?0 ~10 非常に低い 軽微
10~20 低い 局部的被害
20~30 中破
30~60 高い 大破
60~??? 非常に高い 倒壊

PMLの対象は、建物等に与える物的損失額であり、被災者に対する補償、営業中断による損失額等は考慮されていない。

PPP( Public Private Partnership )

(パブリック・プライベート・パートナーシップ)とは、文字どおり、官と民がパートナーを組んで事業を行う新しい官民協力の形態であり、「官民連携」若しくは「公民連携」とも呼ばれ、民間資本や民間のノウハウを活用し、効率化や公共サービスの向上を目指すものである。 類似の概念にPFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)がある。PPPは、事業の企画段階から民間事業者が参加するなど幅広く民間を活用する概念であるが、PFIは、そのPPPの一手法であり、初期段階では、国や地方自治体が基本的な計画を作成し、公募型プロポーザル方式等により、民間事業者を募る方法がとられている。 さらに、PFIのうち、公共施設の所有権を公共団体に残し、運営権を民間事業者に長期間付与するという「コンセッション方式」がある。

PRE(Public Real Estate)

国や地方公共団体において、保有する不動産(公的不動産:Public Real Estate)をいう。民間事業者から地方公共団体に対し、資金調達手法の一つである不動産証券化手法等の導入を前提としたPRE活用事業の提案が行われるケースも増えてきている。 ただし、公的不動産(PRE)は、公共・公益目的のための不動産であるから、企業不動産(CRE)とは異なり、不動産の証券化手法等を活用しつつも、収益性だけではなく、より慎重、且つ、幅広い検討が必要とされている。 なお、国土交通省のサイトに活用のガイドラインや活用事例等がある。 http://www.mlit.go.jp/common/001231397.pdf http://www.mlit.go.jp/common/001091355.pdf

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