東京都心部におけるコロナ後の主なオフィス解約・移転事例(別表参照)を分析した。
集約や既存物件の面積縮小のため新規賃借はしないケースや、面積を減らして新規賃借をするケースがほとんどであるため、空室は増加している。
三鬼商事株式会社の公表データによると、東京都心部の空室率はコロナ前に比べ約4.2%の上昇、空室面積は約33万坪の増加となっている(※)。
解約・移転により面積を減らしているケースは、情報通信業やIT化が進んでいる企業に多くみられる。パソコンがあれば場所は選ばない働き方ができることが、オフィス解約・移転のハードルを低くしているものと思われる。
一方、中には感染防止目的で複数フロアを賃借し、面積を増やしているケースもみられた。オフィス選択の基準として、「感染対策」という観点が新たに生じている。
また、縮小はするものの、ビルグレードや立地が向上しているケース、コワーキングスペースを活用するケースがみられた。多様な働き方等に対応できる優れたオフィス環境を有する物件は、コロナ禍においても選ばれている。
(※)新型コロナウイルスの影響が深刻化する前の2020年2月をコロナ前とし、直近の2021年4月と比べた。
東京都心部におけるコロナ後の主なオフィス解約・移転事例 (240KB) PDF