建築環境総合性能評価システム(CASBEE)は、建築物や街区、都市などの環境性能を総合的に評価するための手法です。
このシステムは、国内の建設事業者や不動産投資機関などで広く活用され、持続可能な社会の実現を目指しています。
CASBEEは、建物の環境負荷の削減とともに、居住性や快適性を向上させることを目的としています。
評価の枠組み
CASBEEの評価は、以下の視点から行われます
- エネルギー消費
建物のエネルギー効率や再生可能エネルギーの利用度を評価します。
- 資源利用
資源の効率的な利用やリサイクルの実施状況を評価します。
- 室内環境
室内の空気質、温熱環境、音環境、光環境などの居住性を評価します。
- 屋外環境
敷地内の緑化やヒートアイランド対策など、建物周辺の環境に与える影響を評価します。
CASBEE建築の評価ランク
CASBEE建築は、新築や改修された建築物の環境性能を総合的に評価するシステムです。
この評価では、建築物の環境品質(Quality)と環境負荷(Load)を基に、
環境効果(Built Environment Efficiency:BEE)を算出し、5段階のランクで分類します。
Sランク: 非常に優れた環境性能を持つ建物
Aランク: 優れた環境性能を持つ建物
B+ランク: 比較的良好な環境性能を持つ建物
B-ランク: 平均的な環境性能を持つ建物
Cランク: 改善が必要な環境性能を持つ建物
評価Aランク以上がサステナブル建築として優良とみなされ、
多くの建設事業者がこの評価を目指しています。
CASBEE不動産の評価ランク
CASBEE不動産は、主に不動産市場でのブランディングを目的とした評価ツールです。
このシステムは、投資家、金融機関、不動産会社、ビルオーナーなどの関係者が簡略的に行う評価です。
100点満点の総合得点に基づき、以下の5段階でランク付けされます。
Sランク(すばらしい):78点以上
Aランク(大変よい):66点以上
B+ランク(良い):60点以上
B-ランク(必須項目を満足):50点以上
対象となる建築物は、竣工後1年以上の運用実績を有し、オフィス、店舗、集合住宅、物流施設など特定の用途を満たす必要があります。
この評価は、建築主や所有者が申請可能で、建築物の環境性能に基づいた市場価値の向上を目指します。
CASBEEのメリット
CASBEEを導入することで得られるメリットは多岐にわたります。
以下に主なものを挙げます:
– 環境負荷の低減
エネルギー消費の削減や資源の有効活用が促進され、環境への負荷が軽減されます。
– 居住性の向上
室内環境の質が向上し、快適で健康的な生活空間が提供されます。
– 経済的価値の向上
環境性能が高い建物は、長期的な運用コストの削減や資産価値の向上が期待できます。
– 社会的評価の向上
CASBEE評価を取得することで、企業の社会的責任(CSR)活動の一環として評価されることがあります
まとめ
建築環境総合性能評価システム(CASBEE)は、持続可能な社会の実現に向けた重要な手法です。
環境負荷の削減と居住性の向上を両立させることで、建物の長期的な価値を高めることができます。
今後もCASBEEを活用した建設事業が増えることが期待されます。