令和2年と3年の変動率の比較
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分析結果
令和2年と3年の変動率の比較から次の見方ができます。
2年と3年の変動率
三大都市圏等の都市の「変動率の変動」が大きく、地方圏の「変動率の変動」は小さい。
秋田等の一部を除き、「変動率の変動」はマイナス方向である。
また、地方圏内でも上昇率の大きかった沖縄等は「変動率の変動」が大きく、下落率の大きかった愛媛等は「変動率の変動」が小さく、コロナ禍が直接影響していないことを反映していることが分かる。
住宅地と商業地の変動率
3年の全国平均の変動率のみを見ると住宅地△0.4%、商業地△0.8%であり、下落率に大きな差がないように見える。しかし、2年と3年の「変動率の変動」を見ると、住宅地は0.8%から△0.4%へ△1.2%の変動幅であるが、商業地は+3.1%から△0.8%へ△3.9%の変動幅であり、商業地がコロナ禍の影響を強く受けていることを反映していることが分かる。
この傾向は上昇率の大きかった沖縄等では強く表れており、逆に下落率の大きかった愛媛等では住宅地と商業地の変動幅に差が無い。
香川県の変動率
香川の商業地の変動率は△1.0%であり、東京の商業地の変動率は△1.9%であり、下落状況に大きな差はないように見える。
しかし、今回の変動率は、令和2年1月1日から令和3年1月1日までの変動率であり、経済活動等が大きく抑制されたのは4月以降である。
仮に4月1日までの3ヶ月(1/4年)は前年と同様に推移していたものと仮定して、その内訳を試算すると、東京に比較して香川のコロナ禍の影響による下落が小さいことが分かる。
東京の商業地の変動率(△1.9%)の場合、4月1日以降9ヶ月(3/4年)の年間換算変動率は△4.9%
△1.9%=(+7.2%×1/4)+(△4.9%×3/4)
香川の商業地の変動率(△1.0%)の場合、4月1日以降9ヶ月(3/4年)の年間換算変動率は△1.0%
△0.7%=(+0.1%×1/4)+(△1.0%×3/4)
令和2年地価調査と令和3年地価公示の比較より
調査地点は異なるものの変動傾向は同様である。
令和2年後半のコロナ禍の影響は継続しているが縮小している。
令和2年地価調査(令和2年7月1日時点)より
東京の商業地の4月1日以降3ヶ月(1/4年)の年間換算変動率 | △15.2% | |||
香川の商業地の4月1日以降3ヶ月(1/4年)の年間換算変動率 | △2.8% |
令和3年地価公示(令和3年1月1日時点)より
東京の商業地の4月1日以降9ヶ月(3/4年)の年間換算変動率 | △4.9% | |||
香川の商業地の4月1日以降9ヶ月(3/4年)の年間換算変動率 | △1.0% |
(注)
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- △印はマイナスを示す。
- 変動率は、各年とも前年と継続する基準地の価格の変動率の単純平均である。
- 三大都市圏とは、東京圏、大阪圏、名古屋圏をいう。
- 東京圏とは、首都圏整備法による既成市街地及び近郊整備地帯を含む市区町村の区域をいう。
- 大阪圏とは、近畿圏整備法による既成都市区域及び近郊整備区域を含む市町村の区域をいう。
- 名古屋圏とは、中部圏開発整備法による都市整備区域を含む市町村の区域をいう。
- 地方圏とは、三大都市圏を除く地域をいう。