東京

港区中古マンション取引動向（2023年1月～7月）

2023.08.10
東京

中古マンションのエリア別取引動向

東京都心部の中古マンションの取引価格が上昇を続けているとの報道がありました。そこで、前回に引き続き、都心部を代表するサンプルエリアとして港区を選び、港区各地区の総合支所の管内エリア別（麻布・赤坂、芝、高輪、芝浦）に本年上半期の取引動向を整理してみました。

Ⅰ．港区中古マンションの価格変動（2023年1月～7月）

直近の取引価格の変動を港区のエリア別にみてみます。エリアの区分は、港区役所の総合支所別に区分しました。ただし、赤坂支所の管内における取引が少なかったため、麻布支所と統合しました。各支所の所管地域は次のとおりです。
なお、7月分は各エリア及び港区全体ともに速報値であり、成約事例の追加により変わる可能性あります。

■赤坂地区総合支所（今回は、麻布エリアと統合）
元赤坂、赤坂、南青山、北青山
■麻布地区総合支所（今回は、麻布エリア）
東麻布、麻布台、麻布狸穴町、麻布永坂町、麻布十番、南麻布、元麻布、西麻布、六本木
■芝地区総合支所（今回は、芝エリア）
新橋、東新橋、西新橋、虎ノ門、愛宕、芝公園、浜松町、芝大門、芝、三田1～3丁目、海岸1丁目
■高輪地区総合支所（今回は、高輪エリア）
三田4・5丁目、高輪、白金、白金台
■芝浦港南地区総合支所（今回は、芝浦エリア）
芝浦、海岸2・3丁目、港南、台場

中古マンション成約価格の変動（坪単価）

成約価格	1月	2月	3月	4月	5月	6月	7月
麻布エリア	477万円/坪	544万円/坪	584万円/坪	575万円/坪	581万円/坪	694万円/坪	608万円/坪
芝エリア	465万円/坪	489万円/坪	502万円/坪	434万円/坪	523万円/坪	602万円/坪	751万円/坪
高輪エリア	540万円/坪	520万円/坪	538万円/坪	545万円/坪	563万円/坪	577万円/坪	547万円/坪
芝浦エリア	423万円/坪	396万円/坪	460万円/坪	477万円/坪	458万円/坪	432万円/坪	480万円/坪
港区全体	474万円/坪	495万円/坪	525万円/坪	508万円/坪	531万円/坪	576万円/坪	597万円/坪

港区中古マンション価格変動　1月～7月

中古マンション成約価格の変動（指数 2023年1月 = 100）

指数	1月	2月	3月	4月	5月	6月	7月
麻布エリア	100	114	122	120	122	145	128
芝エリア	100	105	108	93	113	129	162
高輪エリア	100	96	100	101	104	107	101
芝浦エリア	100	94	109	113	108	102	113
港区全体	100	104	111	107	112	122	126

中古マンション価格指数（2023.01 = 100）

Ⅱ．エリア別にみた取引の動向

中古マンションの築年と専有面積が成約価格へ及ぼす影響をエリア別にみてみます。前回は1月～3月までを分析していますので、今回は4月～7月までとなります。

1．麻布エリア

築年と坪単価

専有面積と坪単価

2．芝エリア

築年と坪単価

専有面積と坪単価

3．高輪エリア

築年と坪単価

専有面積と坪単価

4．芝浦エリア

築年と坪単価

専有面積と坪単価

各エリアとも、築年が古くなると単価は下がる傾向がみて取れます。価格が縦軸、築年が横軸なので近似曲線は右肩下がりになっています。一方、専有面積についても常識的には、面積が大きくなると総額が嵩むため需要が減退するので、近似曲線は右肩下がりになるはずですが、麻布エリアと芝エリアは、逆に右肩上がりになっています。つまり、面積が広い物件ほど単価が高いという常識とは逆の結果にみえます。この原因としては、麻布エリアと芝エリアにおいて成約した面積の大きな物件は、築浅のタワーマンションであったことにもあるようです。とくにこれらのエリアのタワーマンションの成約単価は、1000万円/坪を大きく超えており、現在の都心部のマンション市場の一端を伺うことができます。因みに直近の取引で坪単価1000万円を超えて取引されたマンションは、「シティタワー麻布十番」「THE SANMAISON 白金台」「グランスイート広尾」「グランスイート麻布台ヒルトップタワー」でした。なお、仲介業者様のお話によれば、インバウンド需要は、引き続き強く、特に各エリアにおけるシンボリックなマンション、築浅、広い専有面積の物件に対する問い合わせが多いとのことです。