新型コロナウィルス感染症は、未だ収束せず、様々な影響は長引いております。
現在は、徐々に日常を取り戻すべく、経済活動などの正常化など模索されています。
さて、前回(2021/11)に続いて、不動産投資プレイヤーによる
【withコロナ・afterコロナの需給動向の回復予測】
の調査結果を御紹介したいと思います。
大阪府不動産鑑定士協会では、不動産投資家様を対象に不動産利回りの調査を継続的に行っています。
(調査の概要は過去コラムもご参照ください。)
その調査に付随して、一昨年(2020/7)より半期ごとに
【withコロナ・コロナの需給動向の回復予測】
のアンケート調査いたしております。
各時点における各アセットタイプ(レジデンス・オフィス・ホテル)への影響の有無及び1年後、2年後における影響の有無を予測していただきました。
(直近のアンケート調査は2021年12月~2022年1月に実施)
その結果(指数の平均値)、各アセットの特徴は下記の通りです。
(ビフォアコロナ・2020年1月1日を100)
需要の変調は、アセットタイプごとにその影響の程度がやや異なります。
いずれの調査においても影響は長引く可能性が高いとの回答の傾向がさらに強くなっています。
レジデンス
影響の程度は比較的小さい。
なお、今回の指数平均値は若干下振れしており、一定程度の影響が出ている面、反映されている。
なかには、コロナ以前の水準を超えるという投票も見られており、需要安定している住宅物件への投資の高まりが継続している面、マインドとして現れている結果となった。
オフィス
影響の程度は比較的小さい。
なお、現在時点での影響がないという回答は減少し、コロナ禍が長引く中、オフィス市況にも空室の増加、賃料の下落など影響を出ているという傾向が見られる。
左記グラフのとおり、今回調査の指数平均値は、6ヵ月前~現在までの予測において、前回調査よりやや改善しているものの、影響の長期化を予測されている傾向がみられ、ここ一年程度はオフィス市況もやや厳しさが残るという予測が強く見られる。
ホテル
影響は引き続き甚大である。
今回調査における6ヶ月前の投票をみると過去の調査の予測に比べ指数は改善している。
需要回復シナリオを徐々に織り込んでいた前回の回復予測とは反対に、再度、影響長期化の懸念、市況の下振れなど、感染拡大の状況如何により市況変動の幅が大きい点、回答に強く反映されている。
過去4回の調査結果の分析によれば、ホテル市況の需要回復の見通し、将来予測の難しさが、回答内容の推移から読み取ることができる。
詳細には、下記リンクから最新版から過去の調査レポート結果(プレスリリース版)をご確認いただけます。
内容について、ご関心をお持ちいただけましたら、当社大阪支所(野口)または、大阪府不動産鑑定士協会事務局までお問い合わせください。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
リンク先
- 2022年1月1日時点プレスリリース
https://rea-osaka.or.jp/data/area/20220407.pdf - 前回コラムリンク
https://www.chu-kan.co.jp/column/real-estate-cap-rate-survey-by-area-in-osaka-2/ - 公益社団法人大阪不動産鑑定士協会HP
https://rea-osaka.or.jp/info/weblog_1617874832.html
以上
大阪支所 野口健治