アスベスト(石綿)は自然鉱石で耐熱性・耐久性のあることから建築材料として広範囲に使用されてきたが、発ガン性のあることが判明したため、昭和50年にアスベストの吹き付け作業が原則禁止とされた。その後も、材質や含有量による使用規制の強化が行われ、平成16年に最も毒性の低いクリソタイルの二次製品の使用中止により全面禁止となった。
しかし、平成17年アスベスト建材メーカー「クボタ」が工場周辺の住民を含めてアスベストによる中皮腫発症等の健康被害を開示したことにより、毒性の強さが再認識され、同年解体工事の労働者の健康障害防止の観点から石綿障害予防規則が施行された。
建物評価に際しては、建築時期によるアスベスト使用の可能性と材質等を確認し、下記の使用形態を基準とする対策等に基づき、室内環境等の安全性等の観点から除去の必要性等の判断の上評価を行う。
既存建物のアスベスト使用形態 | 使用部分等 | 対策等 |
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吹き付けアスベスト | 鉄骨の梁柱等・機械室等 | 飛散性の恐れのある場合には除去等の義務 |
飛散性アスベスト建材 | 保温剤・断熱材・耐火被覆 | 解体時に飛散しやすく、粉塵と廃棄物の適切な処理が必要 |
非飛散性アスベスト建材 | 床材タイル・石綿スレート等 | 解体時の破壊等により飛散する可能性があり、注意 |