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アレンジャーとは?不動産証券化における役割について説明します。

皆さんこんにちは。前回の記事ではプロパティマネージャーについてご説明しましたが、

今回は不動産証券化のプレイヤーの一人である「アレンジャー」について共有させていただきます。

アレンジャーとは

国土交通省が出している説明資料にはアレンジャーについて下記のような説明があります。

不動産証券化のためのスキーム全体を検討し、証券化を実現させるための基本的な枠組みをオリジネーター、投資家、レンダー等 の関係者と協議しながら構築していく重要な役割を担う。各当事者のニーズを正確に把握し、実現するためのコーディネート能力が 要求されるほか、必要に応じて弁護士、税理士、会計士と専門的な交渉を行うための高い専門知識が求められる。 上記の業務のほか、デューデリジェンス(不動産鑑定・建物調査等)を行う外部関係者への委託先斡旋や、会計士、弁護士、不動産 鑑定士、信託銀行、証券会社等の各専門家選定の支援等を行う。また、ストラクチャー決定後は、資産対応証券の引受先やノンリ コース・ローンの融資元を選定したり、不動産の処分に関してもアドバイスを行ったりすることもある。 一般的なアレンジャーとしては、証券会社、都市銀行・信託銀行等の金融機関、不動産会社、コンサルタントなどがある。

引用:国土交通大臣 建設流通政策審議官 所管事項説明

不動産証券化におけるアレンジャーの役割

不動産証券化は、資金調達を目指す不動産所有者(オリジネーター)と投資家を結びつける複雑なプロセスです。この過程で中心的な役割を果たすのが「アレンジャー」です。アレンジャーは、不動産証券化を成功に導くための全体的なコーディネートを担当し、多くの専門知識と経験が求められます。以下に、アレンジャーの主な役割について詳しく解説します。

  1. 証券化の企画と手配

アレンジャーは、オリジネーターからの要望に基づき、不動産証券化の企画を立案し、手配を行います。具体的には、資金調達スキームの設計や市場調査を総括し、銀行、信託銀行、証券会社、コンサルタント会社など、複数の関係者と連携しながらプロジェクトの全体像を描きます。

  1. 特別目的会社(SPC)の設立

証券化プロセスにおいては、特別目的会社(SPC)の設立が重要です。SPCは、証券化された不動産資産の管理と投資家のリスク最小化を担います。アレンジャーは、SPCの設立手続きや運営を管理し、必要な法務や税務の枠組みを整えます。この段階では、弁護士や会計士などの専門家との協力も不可欠です。

SPCに関しての記事はこちら

  1. 証券化商品の構築と販売

アレンジャーは、証券化された商品の構築後、これを市場で投資家に向けて販売します。証券化商品の販売には、証券会社のアンダーライティング(引受業務)が含まれるため、アレンジャーは商品の魅力を最大限に伝え、成功裏の販売を目指す戦略を立案します。

  1. 各種手続きの調整と管理

証券化プロセスは、多くの手続きを伴います。アレンジャーは、資産の評価や格付け機関との交渉、契約書の作成など、これらの手続きをスムーズに進行させるために、関係者間の調整役を果たし、全体の管理・監督を行います。

  1. 信用力と信頼の維持

アレンジャーの役割は、その信頼性に大きく依存します。不動産証券化の過程で大量の資金が動くため、アレンジャーが持つ信用力は投資家の信頼に直結し、プロジェクトの成功を支えることになります。そのため、不動産会社や銀行、証券会社など、信頼できる大手企業がアレンジャーとして選ばれるケースが多く見られます。

まとめ

不動産証券化におけるアレンジャーは、証券化の企画から、SPCの設立、商品の構築と販売、各種手続きの調整、そして信用力の維持という多岐にわたる役割を担います。彼らの専門知識と経験は、不動産証券化の成功に不可欠であり、オリジネーターと投資家双方に大きな利益をもたらす要素です。不動産証券化を成功させるためには、適切なアレンジャーを選ぶことが重要です。

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