BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)とは
BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)とは、2014年に一般社団法人住宅性能評価・表示協会により開始された、建築物の省エネルギー性能の表示制度のことです。建築物の販売・賃貸を行う事業者は、建築物省エネ法第7条により、建物の省エネ性能を表示することを求められています。国土交通省の定めるガイドラインでは、表示する性能は自己評価と第三者認証の両方が認められており、BELSは第三者認証の例として位置づけられています。
この制度は、日本国内での建物の省エネ性能の向上を促進し、エネルギー消費性能に基づいて建物を選択できるようにすることを目的としています。BELSにより、車や家電と同様に、建物の燃費(エネルギー消費性能)を確認して選択することが可能になりました。
BELSの仕組み
BELSは、新築・既存を問わず建築物のエネルギー性能を評価することができます。評価は、申請書や図面、計算書などの設計図書に基づいて行われます。評価の結果、建築物の省エネ性能は星の数(1~5段階)で表示され、星の数が多いほど高い省エネ性能を持つことを示します。
BELSのメリット
メリット①:ZEHマークの表示
より高い省エネ性能が確認された場合、優れた省エネ性能を有する住宅・建築物であることを示すZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)マークを表示することができます。このマークは第三者評価のみで取得可能で、消費者に対してその建物が高い省エネ性能を持つことを明示します。
メリット②:補助制度等の証明書類として活用
補助制度などにおいて、住宅や建築物の性能を証明するための書類として、ZEHマークが表示された評価書を使用することができます。これにより、補助金の申請や各種支援を受ける際の手続きがスムーズになります。
メリット③:客観性・信頼性の向上
第三者評価の結果を表示することで、消費者に提供される省エネ性能に関する情報の客観性が高まり、表示制度全体の信頼性向上に寄与します。これにより、エネルギー効率の高い建築物の普及がさらに進むことが期待されます。評価結果を「★」(星)の数で表示するのでエンドユーザーは建物の省エネ性能を直感的に理解することができ、エネルギー効率の高い建物を選ぶ際の参考になります。
2050年カーボンニュートラルに向けた取り組み
経済産業省、国土交通省、環境省は連携して、2050年までのカーボンニュートラル実現を目指し、住宅の省エネ化と省CO₂化に取り組んでいます。2030年度以降に新築される住宅については、ZEH基準の省エネルギー性能の確保を目指し、制度の整備、支援の充実、普及の促進を行っています。
まとめ
BELSは、建築物の省エネ性能を評価し、消費者にわかりやすく情報提供することで、エネルギー効率の高い建築物の普及を促進する重要な制度です。この制度を活用することで、建物の選択がより環境に優しく、経済的なものとなり、日本の持続可能な社会の実現に貢献します。また、デベロッパーや事業者にとっても、BELS評価を通じて環境負荷の低減やエネルギー効率の高さをアピールすることができ、市場競争力を高める要素となります。BELSの普及は、省エネルギー建築物の増加を促進し、持続可能な社会の実現に向けた重要なステップとなるでしょう。