J-REITは、投資家から集めた資金と借入等で、複数の不動産を購入・運用し、その賃貸収入や売買益を投資家に分配する商品です。簡単に言えば、不動産投資のファンドです。J-REITは、株式や債券と似たような投資商品になります。
本記事ではJ-REITについての特徴とメリットデメリットについて共有させていただきます。
J-REITとは?
J-REITは、多くの投資家から集めたお金でオフィスビルやマンションなどの不動産を購入・運用し、その賃貸収入や売買益を投資家に分配する金融商品です。
1990年代後半のバブル経済崩壊後、銀行の不良債権処理のために不動産売買を活性化させる目的で、2001年に市場が創設されました。
J-REITは投資家から集めた資金で不動産投資を行う不動産投資法人が、投資家へ投資証券を発行し、その資金で不動産を購入・運用します。投資家は、証券会社を通じて投資証券を購入し、不動産投資法人から賃料収入や売買益を分配されるという仕組みです。
J-REITのアセットタイプと特徴
J-REITの代表的なアセットタイプは「オフィス」「商業施設」「住宅」「物流施設」「ホテル」「ヘルスケア」の6つです。
J-REITには、これらのアセットタイプのうち1つだけに投資する「単一用途特化型」と、2つのアセットタイプに投資する「複合型」、3つ以上のアセットタイプに投資する「総合型」に分けられます。
なるべくリスクを避けたい人や、J-REITでの投資が初めての人は「総合型」がおすすめです。
Jリートのスキーム
投資者が、資産運用を目的として設立した社団である「投資法人」に出資した金銭を投資法人から委託を受けた資産運用会社が主として特定資産(不動産)に対する投資として運用するスキームになります。
J-REITのメリット
現物の不動産投資と比べて複数の不動産に分散投資することで費用を少額に抑えられるのと同時にリスクを分散することができることがメリットとしてありますが、その他にもメリットがあります。
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少額から始められる
不動産投資は数千、数億の資金が必要になる場合がありますが、J-REITは、1万円から投資できる商品もあります。そのため、少額から不動産投資を始められます。
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複数の不動産に分散投資できる
J-REITは、1つのJ-REITで複数の不動産に投資できます。そのため、個別に不動産を購入するよりもリスクを抑えることができます。また、J-REITの場合、不動産の投資対象が自分のモノにはならないので固定資産税や修繕費がかからないです。
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流動性が高い
J-REITは上場していることもあり、株式と同じように売買でき、流動性の高さがメリットの1つです。不動産投資に興味があるが投資ローンを組むことに抵抗がある人におすすめです。収益源の基本は家賃収入で安定しているので安定性も高いです。
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法人税がかからない
分配金は年1~2回の決算の際に支払われ、配当可能な利益のうち90%以上を分配するなどの要件を満たせば法人税がかからないため、多くの場合内部留保はなく、経費を除いた利益が分配されます。
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専門知識がなくても大丈夫
J-REITは、不動産投資のプロが運用します。そのため、不動産管理などはJ-REITの運営会社が行うため、投資家が直接行う必要はありません。また、高い利回りが魅力的な投資商品です。
具体的な数値に関しては下記リンクを参照してください。
J-REITのデメリット
一方、J-REITには以下のようなデメリットもあります。
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価格変動リスク
J-REITの価格は、不動産市場や金利の動向、経済情勢によって変動します。物件価格の下落や賃料収入の減少は、J-REITの価格下落や分配金減少につながります。
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災害リスク
地震や洪水、火災などの災害によって、J-REITの投資先不動産が被害を受ける可能性があります。被害状況によっては、J-REITの価格や分配金にも影響が出ます。
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金利変動リスク
J-REITは、投資家から集めた資金だけでなく、金融機関からの借入金で運用している場合もあります。金利上昇による借入コスト増加は、収益に悪影響を及ぼし、価格下落や分配金減少につながります。
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投資法人の倒産リスク
金利上昇による借り入れコスト増加や不景気による賃料収入減少は、投資法人の経営状況を悪化させます。最悪の場合、J-REITを運用している投資法人が倒産する可能性もあります。運営会社の財務状況や信頼性を調べる事が大切です。
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上場廃止リスク
J-REITは、証券取引所の一定の基準を満たした場合に上場が認められます。しかし、上場廃止基準に抵触すると、上場廃止となり、活発な取引ができなくなる可能性があります。
J-REITとは?まとめ
J-REITは、多額の資金を用意せずに不動産物件に投資することができる投資信託です。リートを売却して現金化することもできるので、高い流動性も備えています。
投資を検討する際は、利回りや分配金だけではなく、リスクなどのデメリットも考慮する必要があります。これらのメリットとデメリットを理解した上で、自身の投資目的に合致するかどうかを慎重に判断することが重要です。
お客様のニーズに合わせた最適なサポートいたしますので、不動産証券化をご検討されている方はお問い合わせください。