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ZEBとは?メリットなどを詳しく説明します

ZEBとは?

ZEB(ゼブ)は「Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング)」の略称で、建物全体のエネルギー消費量を最小限に抑えつつ、太陽光発電などの再生可能エネルギーで自家発電を行い、年間の一次エネルギー消費量を実質ゼロにすることを目指した建築物のことを指します。

ZEBはビルや工場、学校などの非住宅向け、最近よく聞くZEH(ゼッチ)は一般住宅向けのエネルギー対策です。

ZEBの特徴

建物の中では人が活動しているため、エネルギー消費量を完全にゼロにすることはできませんが、省エネによって使うエネルギーをへらし、創エネによって使う分のエネルギーをつくることで、エネルギー消費量を正味(ネット)でゼロにすることができます。

引用:環境省

ZEBを実現するためには、以下の4つの要素が重要です。

①高断熱性能と高気密性

建物の断熱性能を高め、気密性を確保することで、冷暖房の効率を上げ、エネルギー消費量を削減します。

②高効率設備

照明、空調、給湯、エレベーターなどの設備に、最新の高効率技術を採用します。

③再生可能エネルギーの活用

太陽光発電、風力発電、地熱発電などの再生可能エネルギーを導入し、自家発電を行います。

④エネルギーマネジメントシステム

建物全体のエネルギー使用状況をリアルタイムで監視・管理し、最適なエネルギー運用を行います。

ZEBのメリット

ZEBには、以下のようなメリットがあります。

  • 環境への貢献

エネルギー消費量を削減し、再生可能エネルギーを利用することで、CO2排出量を大幅に削減し、地球温暖化の防止に貢献できます。

  • ランニングコストの削減

高効率な設備とエネルギーマネジメントシステムにより、長期的に見てランニングコストを削減することができます。

  • 快適な室内環境

高断熱・高気密な建物は、室温や湿度を安定させ、快適な室内環境を実現します。

  • 災害時の安心

自家発電システムを備えているため、停電時にも一定期間電力を供給することができます。

ZEBを目指す理由

日本は2020年10月に「2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにする、すなわちカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言しました。さらに、2021年5月には、2050年までのカーボンニュートラルの実現を基本理念として地球温暖化対策推進法が改正されました。

カーボンニュートラルを達成するためには、業務部門(事務所ビルや商業施設など)からのCO2削減が重要です。2019年度のデータによると、業務部門からのCO2排出量は日本全体の約2割を占めています。また、1990年度以降の経済成長に伴い、産業部門からのCO2排出量が24%減少した一方で、業務部門からのCO2排出量は48%増加しています。このため、業務部門での徹底的な省エネルギー推進と再生可能エネルギーの活用が急務となっています。

このような背景から、2021年10月に閣議決定された地球温暖化対策計画では、2030年度までに温室効果ガス排出量を2013年度比46%削減するという中期目標が設定されました。特に業務部門では、エネルギー起源CO2排出量を2013年度比51%削減するという厳しい目標が掲げられています。さらに、建築物に関しては、2050年のカーボンニュートラル実現を見据え、2030年には新築建築物がZEB基準の省エネルギー性能を達成することが目標とされています。

このように、ZEBの導入は、持続可能な社会の実現、エネルギー安全保障の強化、経済成長の促進、国際的貢献といった多岐にわたるメリットをもたらします。

まとめ

ZEBは、環境負荷低減、経済性、快適性、安全性、社会貢献など、様々なメリットを兼ね備えた先進的な建築技術です。今後、ZEBの普及が加速することで、より持続可能な社会の実現が期待されます。

 

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